- 2009.1.30 Friday
日時:平成21年1月30日(金)
会場:イムズホール
≪大会レポート≫
1月30日(金)イムズホールで「ほっとけない!高齢者医療」福岡大会が開催されました。
これは政府の介護療養病床廃止政策の撤回を求めたもので、東京、大阪に続き、3回目の今大会は病院関係、患者家族、一般市民から超満員の約470名が参加。地元の報道各社以外にも全国紙、在京キー局が取材、ニュースで報道されました。
当協会会長 原 寛、療養病床問題を考える国会議員の会より木村 義雄、山崎 拓両代議士の挨拶の後、上川病院 吉岡 充先生による基調講演、後半では東京医科歯科大学 川渕 孝一教授、認知症の人と家族の会 勝田 登志子氏、有吉病院 福本 京子ケア部長、この運動の中心的役割を担う飯島 夕雁代議士が介護療養病床の存続の必要性について講演。最後に北九州古賀病院 志方 弘子看護部長より『高齢者の医療と介護福岡宣言』が発表されました。今後も医療界は結集し、この問題を訴えていく必要があります。詳しくは基調講演をいただいた上川病院 吉岡 充先生の著書「高齢者医療難民」(PHP新書)をご一読下さい。
「高齢者の医療と介護福岡宣言」(前文抜粋)
厚生労働省は2011年度までに介護療養病床を廃止し、更に医療療養病床を削減しようとしています。
10年前、私達が発表した「抑制廃止福岡宣言」を契機に抑制廃止が全国に広がり、介護療養病床や施設では認知症患者に抑制をせず、人権を尊重するケアが当然となりました。それは核家族化の進む日本で高齢者の医療・介護が「家庭」から「社会」に委ねられた時代の要請でありました。しかし、今、厚生労働省は時代を逆行させています。介護療養病床のスタッフを減らし、安上がりな施設に変えればケアの質は悪化し、再び抑制をせざるを得なくなります。多くの高齢者が介護難民となる状況をどうしてつくろうとするのでしょうか。私達医療従事者は国民に対して責任があります。この政策に断固反対します。
医療従事者は目の前の患者の痛みや苦しみを和らげ、ケアを尽くす事を使命とします。しかし、今、この政策を見過ごせば医療・介護施設は消え、その結果、患者は必要なケアを享受できなくなります。私達にとっても働く場がなくなるという現実を孕んでいます。
医療従事者は医師、看護師から事務職に至るまで多様です。組織体も様々です。今までは各々の立場や主張がまとまらず、医療界としての意見は十分な力を持ち得ませんでした。医療従事者は患者と社会を守るため、自分と家族のためにも連帯して声をあげ、行動していくべきです。人や国や経営者に任せるのではなく、ここに集った私達は、全ての職種、職域の垣根を越えて主張を続けていきます。
そして、ここに次の通り、福岡県療養病床協会として宣言します。
一、高齢者ケアの質の維持のために介護療養型医療施設の存続を求めます
一、道路特定財源、特別会計の有効活用を求め、福祉国家の実現を求めます
一、介護職の雇用を維持・創出し、待遇改善に向けた政策を求めます
一、ケアの質の向上と共に最良のケアを提供する環境の維持に最大の努力を続けます
一、他職種から200名の介護職を受入れ、雇用促進や教育の為の助成を行います
平成21年1月30日 福岡県療養病床協会