活動報告

第16回日本療養病床協会 全国研究会 福岡大会

- 2008.7.3 Thursday

日時:平成20年7月3日(木)、4日(金)
会場:JALリゾートシーホークホテル

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≪大会レポート≫

 7月3日(木)、4日(金)の二日間、JALリゾートシーホークホテルにて第16回日本療養病床協会全国研究会(福岡大会)が開催されました。今回は原土井病院の原理事長が大会長を務め、全国から約1,700名を超える会員が参加、歴代最高の376演題が寄せられ、認知症ケアからITまで多種多彩な研究成果が発表されました。

 特に今回の大会は平成23年度までに介護療養病床の廃止、24年度までに療養病床の減床が予定され、社会から療養病床の意義を問われた中での開催となりました。

 大会初日は、まず開会式において吉田福岡市長、福岡県医師会横倉会長、福岡市医師会宮崎会長などの来賓がご挨拶。また10年前の福岡大会で発表された「抑制廃止福岡宣言」記念シンポジウムでは「療養病床を考える国会議員の会」より山崎拓、飯島夕雁、木村義雄、清水鴻一郎、冨岡勉の5名の国会議員が登壇。抑制廃止で確立したケアの質を維持していくためには療養病床の存続が必要不可欠であると強く訴えられました。

 続くシンポジウムでも地域連携をテーマとし、九州医療センター岡田靖先生、九州大学病院岩谷さん、あおばクリニック伊藤新一郎先生より急性期病院や在宅・診療所の立場から療養病床への期待や提言が寄せられる等転換期にある療養病床に多くのエールをいただきました。

 2日目の市民フォーラムは一般市民の方にも無料開放され、約2,000名収容の会場がほぼ埋まる盛況ぶり。第一部では、自身が認知症患者である江島豊彦さん、認知症治療の最前線に立つ福岡大学山田達夫教授、またマスコミからは長年認知症ケアの現場を見つめてきたNHK小宮英美さん、西日本新聞田川大介さん等が参加し、認知症ケアの場でもある療養病床の役割と課題について議論されました。パネルディスカッションでは原大会長も交え、認知症患者さんのご家族との活発な意見交換がなされました。

第二部では102歳の教育学者である曻地三郎先生が講演。ユーモアと優しさ溢れるお話の中で、ご自身も障害児教育の経験の中での抑制廃止への思いや棒体操で寝たきりの高齢者が動きを取り戻していく事例を紹介され、「笑顔のある病院への提言」をいただき、笑顔と勇気を得て大会は盛況のうちに閉幕しました。

 早速、当日のRKBテレビ「今日感テレビ」での報道や西日本新聞での特集、さらに大会直後のテレビ朝日サンデープロジェクトで認知症ケアの特集が組まれる等マスメディアへの影響も大きいようでした。

 世界で最も高齢化が進む日本にあって療養病床の削減により介護難民が増え、患者さんや国民への負担が増大する事が心配されます。

 本大会は国会議員の登壇など研究会の本旨ではない部分もありましたが、まずはケアの場である病床の存在意義を広く、社会やマスコミに認知してもらえたという点と私達、高齢者医療に従事する者自身も社会の理解を得る努力も患者さんを守っていく事に他ならないと再確認できた点で大変、意義深い大会であったと思います。

福岡大会事務局(原土井病院地域連携室 竹内徹)


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